3日坊主にもほどがある、習慣と手帳について
1年ぶりの更新です。初投稿を振り返ったら1日1記事と書いてありました。
有言実行が出来ない、そんな医者にかかるのは自分だったらいやですね…
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さて、
ジェームズ・クリアー式 複利で伸びる1つの習慣 (フェニックスシリーズ)
をaudibleで聴きました。
最近の通勤時間は専らaudible ですね。
日々の作業に組み込む、ということを意識する中で、手帳によるタイムマネジメントをしようと思いたち、以前読んだことがあった7つの習慣の手帳、フランクリンプランナーを使い始めました。
今まではスマホのマンスリー手帳だったのですが、フランクリンプランナーに変えてから日々の時間の過ごしたい目標と実際過ごした時間が明瞭化され、やるべきタスクが実行できるようになりました。時間がないのを客観的に確認すると空いている時間で終わらせなければという心理が働きます。
かつ、手帳が高価であったことも継続できている一因となっています笑
自己投資が役に立った一例でしょうか…。
現在のところ1ヶ月半継続できていますので、今年継続できれば安いものに変えようと思います。
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習慣について雑考
毎日この時間にこれをする、と決めることがいかに有用か。最近は以下を実行しています
●煩わしい面を固定化してすっきり
・朝起きる時間を固定化
毎日寝る時間が一定になるように。朝が弱く睡魔に負けがちだったがなんとか起きれるように
・平日は私服の制服化
これもかなり楽になりました。ジョブズ化笑
●積み重ねたい日々の習慣
・通勤時間はaudibleを聞く
医学以外の勉強に役立っています。
今後やりたいことは、
医学の勉強・文章術研鑽の意味でのブログ更新を組み込めるか。
論文を読むという習慣をどこに入れるか
でしょうかね〜
論文は定期購読を自分のお金でせよ。という文言を見たことがありますが、確かにお金払うと元を取らなければという気持ちになりますよね。
また検討します。
慢性骨盤痛症候群
こんにちは、先日外来で診断のつかない骨盤痛を経験しました。
慢性骨盤痛症候群という疾患概念があるようなのでレビューを読みました。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/26926975/
Am Fam Physician. 2016 Mar 1;93(5):380-7.
Chronic Pelvic Pain in Women
PMID: 26926975
女性の慢性骨盤痛は有病率6-27%とのこと、多いですね〜
今回のケースは産婦人科に行ったが診断が付かずに初診外来に回ってきたケースでした。産婦人科外来だともっと多いのでしょうか。
定義は、「6ヶ月以上持続、持続性の非周期的な骨盤周辺の痛み」で広い症状概念ですね。
原因:
間質性膀胱炎 後述
子宮内膜症 月経に関連
骨盤癒着 腹部手術歴、性感染症歴
骨盤内うっ血症候群 妊娠出産後に生じる、昼間動くと痛みが生じる。
骨盤底筋障害 頻尿など他随伴症状
骨盤帯痛 妊娠の際、特定の動作が障害される
陰部神経障害 神経痛
https://www.pelvicpain.org/common/Uploaded%20files/Patient%20Handouts/PUDENDAL%20NEUROPATHY.pdf
外陰部痛 vulvodynia
など、1つまたは複数の合併がある。
慢性局所疼痛症候群、または機能性身体症候群に分類できることもある。
半数の患者では心理的側面に関連している。
・間質性膀胱炎
尿貯留で膀胱に痛みが生じ、排尿とともに改善。頻尿。
尿検査では異常なしのことが多い。
膀胱水圧拡張術により新生血管の集まり(ハンナ病変)を確認することで診断となる。
ハンナ病変がない場合には膀胱痛症候群。
治療は対症療法(鎮痛薬、ウラリシッド、アイピーディ(Th2阻害)、竜胆瀉肝湯(ツムラ78番)や猪苓湯合四物湯(ツムラ112番))、焼灼治療、血管内治療など。食事療法(避ける:香辛料などの刺激物、チーズ類、かんきつ類、酢の物、コーヒー、紅茶、チョコレート、アルコール、ビタミンC、カリウムを多く含む食品)人によって異なるので食事内容を記録する。
間質性膀胱炎研究会
http://sicj.umin.jp/about/index.html
検査:
感染に関わるもの(クラミジア、淋病、一般採血)
妊娠反応
内診
経腟超音波,MRI
治療:
理学療法(骨盤底筋体操)
プロゲステロン 月経関連の場合有効。月経終了後であればホルモン補充療法、月経ある場合はピル
ガバペンチン
三環系抗うつ薬
非ステロイド性抗炎症薬
仙骨神経が関与している場合は、仙骨神経ブロックまたは電気パルスが効果ある場合あり
自分が担当した方は、月経に関連し疼痛がやや増悪する経過にあり、ピル内服をして経過観察中です。不定愁訴として総合診療科外来に受診する方も多そうな印象ですがいかがでしょうか?
この疾患概念の存在は知らなかったので大変勉強になりました。
Clostridioides(Clostridium)difficile 感染症
こんばんは、重症CD腸炎患者を担当したのでCD腸炎の対応についてまとめてみます。
恥ずかしながら、フィダキソマイシン、抗トキシンB抗体は初めて知りました。
GDH陽性トキシン陰性の時遺伝子検査を行うところがポイントですね、下痢との兼ね合いから臨床的な判断をする。
・治療
VCM 125mg×4回 10日:11131円
VCM 500mg×4回 10日:44520円)
Klebsiella
こんにちは、今日はクレブシエラについてです。
血液培養でKlebsiella Sp.の記載があり、感受性が出るまで想定する細かい菌種などは?抗菌薬の選択は?と思い調べてみました。
Klebsiella属は腸内細菌科のひとつ。
こちらの図の黒線、赤線が全てKlebsiella 属とのことです。こんなに種類があるのですね、知りませんでした。
Klebsiellaの中でも一番馴染み深いのが、
Klebsiella pneumoniae
単純性腎盂腎炎の頻度の高い起因菌3つの頭文字をとったゴロの"PEK"のK,ですね。
また、肺炎や肝膿瘍の原因となることでも有名です。
・市中感染
アルコール多飲者、糖尿病患者などに感染を起こしやすい
・院内感染
多剤耐性化しやすい
院内感染症の原因として報告の多いグラ ム陰性桿菌について、2002 年2月時点で論 文検索した結果を表3に示す。腸内細菌科 では、大腸菌(Escherichia coli)、肺炎桿 菌(Klebseilla pneumoniae)、Serratia 属 菌の順に件数が多く報告されており、ブド ウ糖非発酵菌群では緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa )、 Acinetobacter 属 菌 、 Burkholderia cepacia の順に報告件数が多 くなっている。
https://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/isei/i-anzen/hourei/dl/090123-2.pdf
転移しやすいことも留意する必要があります。敗血症、肺炎、眼内炎、全身膿瘍などの原因となります。難渋した例を地方会とか症例報告でたまに見ますよね。
ムコイド型のクレブシエラだと過粘稠性が高く、全身に転移しやすいそうです。過粘稠性を見る試験はstring testといって、培地に生えたコロニーに5mm以上糸を引けば陽性とのこと。細菌検査室でやっているのか、今度聞いてみようっと。
ほか、
Klebsiella oxytoca
これは知らなかったので検索したら抗菌薬関連の出血性大腸炎の原因となるそう。たくさんヒットしました。C. difficile関連性腸炎が高齢者に多いのに比較すると、比較的若年者、女性に多い特徴。
HP 除菌療法施行時の発症率は 0.6% 程度との報告もあり注意が必要だそう。
原因抗菌薬の中止で経過を見れば1週間で改善するとのことです。
https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa054765
https://www.jstage.jst.go.jp/article/nisshoshi/107/12/107_12_1897/_pdf
Klebsiella aerogenes
2017 年に Enterobacter aerogenes の学名が変更された。
カルバペネム耐性菌となりやすいため注意が必要。
以上です。
奥深かったです、細かい遺伝型で莢膜やムコイドの強さが違うようですね。
自分が関わるセッティングとしては、転移に気をつけること、全身の膿瘍検索を行うこと、string testが有用でどの検査室でも行えそうなこと、菌種により多剤耐性化しやすいことを覚えておこうと思います。
医療・ケアの勉強のアウトプット
はじめまして、地方の総合病院に勤務している医師で、総合診療科専攻医2年目になるものです。ブログのURLにgirlを入れてみましたが、
ガール(girl)は通例9 - 12歳まで、大きくても15歳以下とされる。
…
倍ぐらい異なりましたが若い気持ちで勉強するということにします。笑
勉強記録・読書記録でブログを始めてみようと思います。
最近、医療雑誌、総合診療の5月号で特集が組まれていたり、身近な尊敬できる医師にもアウトプットがなにより大切と説かれます。口頭で教えることより文章にすることの方が自分にとっては合っているので始めてみます。
今回は特に上記の雑誌の記事で心に残った内容を備忘録として書いておきます。
倉原優先生
制約が能力を向上させる
仲田和正先生
物事の要点が何であるかをつかむこと、掴んだ要点を反復することにつきること
ああ、良い特集でした。そしてアウトプットが大事だということを私も肝に銘じます。
尊敬している先輩は、内省・SGAを通した自己成長力が素晴らしかったのだけれど、自分はサボり癖もあるし一人では難しい。このブログという制約を作ることによって成長できればと思います。
頻度は毎日1記事、内容は勉強の記録、読書の記録を。
よろしくお願いします。